ローカル業界目指すなら、ここへ行け!~ひとみちゃんのおひとり様ローカルイベント体験記~

「将来はのんびりとした田舎で暮らしたいな」
「地域のコミュニティづくりってどんな人たちがやっているんだろう」
「人口が減少している地元に人を呼び戻したい!」

HATAFURIに辿り着く方々の多くが、こんな想いを持っているではないでしょうか。

地方・都市に関わらず、「地域」に関わる職業を呼び表す「ローカル業界」
他の業界に比べて就職活動時の情報も少なく、「どう働いて」「どう食べていくのか」、指標が少ないのが現状です。
「ローカル業界に知り合いもいないし、まずは何からしたらいいんだろう…」とお悩みの方も多いでしょう。

そこで今回HATAFURIがみなさんにおすすめするのが、「ローカルイベントへの参加」です。

ローカルイベントとは?

「ローカル(Local)」とは、「地元の」「地域の 」という意味を持つ単語。

地方・都市関係なく、特定の地域に深く関わるものを表す際に使用されます。その名の通り「ローカルイベント」とは「地域に関わるイベント」であり、地域に関わる「働き方」、「暮らし方」に関する情報交換や参加者同士の交流を目的に行われます。

特定のテーマが定められ、それについてトークをする形式のものが多く、そのほとんどが

  1. 地方移住に関するイベント
  2. ローカルキャリアに関するイベント
  3. 特定の地域に関するイベント    の3種類に分けることができます。

とにかく「老若男女が集まる」のが特徴で、地域づくりに関わるお仕事をしている人から、それを目指している人、地方での起業や移住に関心を持っている人が集います。たまに地元のお食事がちょこっとでてくることも。

「南房総2拠点サロン」に参加してきた!

技術の発達とともに、ヒト・モノの移動が容易になった今日。私たちはメールでデータをやり取りし、チャットを使って会議をします。

これまでは当たり前であった「『働く場所』に合わせて『暮らす場所』を選ぶ」、そんなことが必要なくなる未来が少しずつ近づいてきています。そこから生まれたのが「2拠点生活」という言葉。「働く場所」と「暮らす場所」を分けて考えることで、より自分に合った生活を送ることができるのです。

このイベントの舞台となるのは、その名の通り「南房総」。現時点では「東京」にのみ、その拠点を置いている人々に向けて、2つ目の拠点として「南房総」を提案するイベントです。実際に都心から南房総へ移住した方々を筆頭に、南房総市の職員の方々が参加者を迎えます。予定されたトークの後は交流タイムも設けられており、登壇者・参加者の垣根なくお話しすることができるのが特徴。

移住希望者はもちろんのこと、就活をしながら地域との関わり方を模索している方にとっても、新たな学びや出会いを得られるきっかけになることまちがいなし。

・・・

今回は、読者のみなさまにローカルイベントの空気感を少しでも感じ取っていただきたいと思い、株式会社ココロマチのインターン生、大学三年生のひとみちゃんに「南房総2拠点サロン」に実際に参加してきてもらいました!

ひとみちゃん
こんにちはー!ひとみです。よろしくお願いします。

 

ひとみちゃんはローカル業界に興味があるんだよね。でも、お友達の中には同じように「ローカル」だったり「移住」に興味がある人が少ない…と。

ひとみちゃん
そうなの。大学生活も後半に差し掛かってきて、いよいよ就活…って時期じゃない?友達と『どんな職業に就きたいの?』って話をするんだけど、メーカーや商社を志望している人が多くて。私が『ローカル業界に行きたいんだ~』とか言うと、みんなポカーンとしちゃうことが多い。

他の業界に比べると、まだ認知度は高くないよね。興味をもつ学生が少ないのと、そもそもそれを職業にしている先輩方の事例がまだ多くない、ってことも要因かもしれないね。

ひとみちゃん
でもね、『将来はどう暮らしたいか』って話をすると、『田舎暮らしをしてみたい!』って子は多いよ。地方に対して憧れはあるんだけど、実際それを実現できそうな職に就くのはあんまりイメージしづらい…って感じなのかも。私は将来的に『地方と都市、どちらとも関わって暮らしたい!』って思ってるから、今回のイベントの『2拠点』って所にはすごく興味がある。

「ローカルイベント」初体験!不安なことだらけなひとみちゃん

今回の「南房総2拠点サロン」って、「南房総」って入っているぐらいだから、きっと南房総のことがメインなんだよね?

ひとみちゃん
そうみたい。私、南房総のこと何一つ知らないんだけど大丈夫かしら。参加者はきっと『南房総大好き!』って人ばかりよね。その中でうまくやっていけるの私…?
ひとみちゃんの不安要素その①

地域のことについて何も知らないけど大丈夫…?

ひとみちゃん
あと、開始時間が19:00。場所が新宿のど真ん中。ここもかなり不安要素ね…。うちの大学は東京の中でも田舎の方だから、夜の都会ってどんな服着て行ったらいいか分からないわ。きっと仕事終わりの社会人が多いわよね…。不安…。
ひとみちゃんの不安要素その②

学生が少なくて心細いかも…。

いよいよ当日

ひとみちゃん
こんにちはー…。ここがHAPON新宿ね。すごくおしゃれな雰囲気…。

HAPON新宿は合同会社HAPONが運営するシェアオフィス。日本列島の形をした机がまさに「ローカル好きが集まる場所」だということを表しています。

スーツ姿で談笑するのは南房総の行政の方々

スーツ姿で談笑するのは南房総の行政の方々。

会場はワンドリンク制で、お酒を飲む人も

会場はワンドリンク制で、お酒を飲む人も。

ひとみちゃん
それにしてもやっぱり学生が少なめ……だけど、思ったよりお一人様が多いわね。ご年配の方から、若めのおしゃれな人もいて、いろんな年代が揃っているのがなんだか不思議な感じ…。

ドキドキなまま席についたひとみちゃんでしたが、息つく間もなく隣の席の女性が話しかけてきてくれたみたい。お酒の力もあってか、イベント会場は開始前からに和やかな雰囲気が流れます。

内容は、パネリストの方々のトークがメイン。トーク後の交流会は任意参加となっており、イベント初心者にも優しい構成です。

≪スケジュール≫
19:30 開始
トーク①房総移住分類学(漆原秀さん)
トーク②南房総コミュニティ紹介(東洋平さん)
トーク③移住談義(漆原秀さん、鍋田ゆかりさん、東洋平さん、永森まさしさん)
20:50 交流会
22:00 終了

≪パネリストのプロフィール≫
○永森まさしさん
南房総市公認プロモーター、合同会社AWATHIRD代表。本イベントではモデレーターを担当。2008年に南房総へ移住してから、南房総を中心に様々な地域プロモーションを手掛ける。現在は、東京でシェアオフィス「HAPON新宿」、南房総でシェア里山「ヤマナハウス」を運営。

○漆原秀さん
南房総で不動産賃貸業を営む。南房総移住歴は20か月と短いが、最初に南房総に出会ったのは約10年前。現在は、元公務員宿舎をリノベーションした複合施設「MINATO BARRACKS TATEYAMA 3710(館山ミナトバラックス)」を運営。
※漆原さんの南房総での活動はこちらの記事をご参照ください。→街をクリエイティブで元気にする。「館山ミナトバラックス」漆原さんのリノベーションプロジェクト

○東洋平さん
WEBメディア「ローカルニッポン」のライター。移住して7年、取材に行った場所は100か所以上。
現在は「複業型ライター」と称し、南房総を中心にライター育成講座やイベント企画、農業やバンド活動などを行う。
※東さんの南房総での活動はこちらの記事をご参照ください。→都会と田舎の両方を知れば、人はもっと自由に、クリエイティブになれる。南房総の魅力を発信しながら、田舎での新しい生き方を体現する東洋平さん

○鍋田ゆかりさん
ライター ・イベント出店を中心に様々な活動を行う。2011年に都内から南房総へ移住。過去にはモロッコに住んでいたことも。現在は、「鋸南町雇用創造協議会」旅行開発支援員も担当している。

・・・

 

パネリストのトーク

【房総移住分類学】 漆原秀さん
まずは漆原さん作のワークシートを使って、パネリストそれぞれが「移住の内的要因」を分析。①終わらない夏休み ②挫折と再生 ③親と子の関係 ④理由なき反抗 という四つの軸で構成されたシートには、それぞれが「移住しよう!」と思った人生の起点が記されていました。

移住の動機について語り始める漆原さん(画像左から漆原さん・鍋田さん・東さん)

移住の動機について語り始める漆原さん(画像左から漆原さん・鍋田さん・東さん)

時には、初対面の人とは話しづらいディープな話題も登場し、会場を賑わせます。「このシートを使うと、深夜2時に親友としかしないような話もスラっと出てきちゃうんだよね」と言う東さん。同じ「南房総」という地域に移住を決めた皆さんでしたが、その経緯は三者三様でした。

ひとみちゃん
み、皆さん壮絶な人生を歩んできてらっしゃるのね…!!こんな詳しい話、かなり仲良くならないと聞けないことだけど、こうやってワークショップ的に経験の共有をするのは気軽にできて楽しいかも。なんだかこれからの自分の人生が楽しみになるわ。

 

【南房総コミュニティ紹介】 東洋平さん
ライターである東さんは、ご自身の足で南房総を渡り歩いた経験をもとに、魅力いっぱいの南房総のコミュニティをユニークに紹介してくださいました。子育て世代には助かる子育て支援施設から、若者向けのシェアハウスまで、そのバリエーションの豊かさは「南房総」という地域の間口の広さを表しているようにも思えます。途中、その熱心さのあまり時間が押し気味になるというハプニングもありましたが、それも含めてとても楽しい時間となりました。

南房総には魅力がありすぎる!と熱弁する東洋平さん

ひとみちゃん
南房総…!外から来た人にも柔軟に対応してくれそうな施設や団体が沢山あるのね。それにしても東さんの暮らし方、とっても楽しそうだわ。地方にはライターの需要があるっていうし、地方移住してフリーランスで働くってのもアリね。

 

【移住談義】 漆原秀さん、鍋田ゆかりさん、東洋平さん、永森まさしさん

最後は全員で、「移住後」のリアルなエピソードを対談形式でお話してくださいました。中でも、鍋田さんが実生活で撮った写真はまさに文字通りの「田舎生活」そのもの。会場には「いいな~」という声も挙がりました。

「田舎では除草剤の代わりにヤギを使うんですよ」と説明する鍋田ゆかりさん

ひとみちゃん
ヤギ!かわいい!こうやって実際に生活している人に写真つきでお話してもらえる機会ってあまりないから貴重!さらにローカル業界への憧れが高まるわね。

ドキドキの交流タイム

パネリストのトークが終わった後は、フリーTIME。隣の席の人とお話しするも良し、パネリストに思い切って話しかけに行くも良し、はたまたここで帰るのももちろんOKです。

ひとみちゃん
フリーTIME…。今後も続く繋がりが作れるかは、ここでどれだけ交流できるかにかかっていると言っても過言じゃないわね…!私も誰かに話しかけないと…!!

あせってガチガチになるひとみちゃんでしたが、数人見つけ出せる学生に何とか声をかけてお話できたみたい。会話に花が咲くと、その笑い声に惹かれて人が加わり、時には入れ替わり、会場が閉まるころにはいろいろな年代の方とお話できていました。

会場でもらったパンフレットたち

ローカルイベントに行ってみての感想

ひとみちゃん
会場に入ってすぐの時は不安すぎたけど、いざ始まってみると、いろいろな働き方や暮らし方を知ることができて面白かったわ!案外、南房総のことをよく知らなくても、話を聴くだけで楽しかったのが印象的ね。話を聴きながら、自分の地元や、学校のある地域と比べてみるのも面白いと思うわ。

不安要素その① 地域のこと何も知らないけど大丈夫…? に対するアンサー

「その地域を知らない」ってだけで尻込みするのはもったいない!

ひとみちゃんにとっては、初めてのローカルイベントだったようだけど、そのあたりはどうだった?特に今回は一人での参加だったから、「学生が少ないかも…」って不安そうだったけど。

ひとみちゃん
たしかに学生は多くなかったけど、こんな機会でなきゃ初対面の人と夢を語り合うことなんてできないわ。ちょっと勇気を出しただけで沢山の出会いや学びが得られた!また行きたいなって思うわ。知り合いもちょっとずつだけど増やせていけたら、就活の相談にのってくれる大人もいそうだしね!

不安要素その② 学生が少なくて心細いかも…。 に対するアンサー

老若男女問わず『ローカルに関わりたい!』という想いを持つ人たちに出会うことができる。最初の一歩を踏み出したらあとはあっという間!

振り返り

いかがでしたか?

ひとみちゃんのように就職活動を控えた学生はもちろん、地方でセカンドキャリアに挑戦しようと思っている社会人の方、ただ単に地元愛を語りたい方、どんな方でも新たな学びと出会いを手に入れるチャンスがある「ローカルイベント」。一期一会の出会いと空間を楽しむのが醍醐味といえるでしょう。

ローカルイベントの情報は、各運営会社やイベント会場の公式HPから確認することができます。もしかすると、普段よく目にしているメディアや企業もローカルイベントをやっているかも…?

その他に「Facebook」の「イベント」の項目や、アプリ「Peatix」からも確認することができます。Peatixでは、イベントのテーマから検索することができるので、より詳細が知りたい方にもおすすめです。ほとんどの団体は、「Twitter」などSNSで公式アカウントを持っています。そちらをフォローして、恒常的に情報を手に入れるのも方法のひとつです。

また、株式会社ココロマチが運営するWEBサイト「ココロココ」でも、東京近辺を中心としたイベントの情報を随時掲載していますので、そちらもぜひご覧ください。

ひとみちゃん
それでは皆さんも、良いローカルイベントライフをお過ごしください!ばいばーい!

南房総2拠点計画 https://minamiboso-2kyoten.jp/
HAPON新宿 http://hapon.asia/shinjuku/#location
ココロココ 地方と都市をつなぐ・伝える https://cocolococo.jp/