今観光がアツい!地域活性化を後押しする、 ローカル×観光の職業を調べてみた。

現在日本では、観光産業が大きな発展を遂げている真っ只中ですね。

また、観光産業の発展により、観光が地域に与える影響が大きいことから、地域や、都市・地方について考える機会も多くなりましたよね。

そんな時代を生きる学生さんの中には、就職について考えていく際、「地元の観光産業を盛り上げたい!」「地方の地域活性に携わりたい!」「色々な地域の魅力を発信したい!」など、ローカルに関わる仕事をしたいと考えている学生さんも多いのではないでしょうか。

しかし、地域や観光に携わりたいとは言っても、自分はどこで、どんな仕事をしたいのか、どんな職業があるのか、よく分からないという人は少なくないと思います。私もその一人です。

そこで、今回は地方・都市などの地域と観光に関わりのある仕事を、私なりに分類してみたので、ご紹介します。業界についても理解を深めて、将来について一緒に考えていきましょう!

ローカル×観光産業 を学ぼう

まず、今回取り上げている「ローカル」と「観光産業」について、言葉の意味とその関係性について学んでみましょう。

・「ローカル」・・・一定の地域や地方のこと。また、その地域や地方に限定される特有なこと。

ローカルという言葉は、雑誌やテレビなどでも目にする機会が増えたように、今ローカル業界全体が注目されていますよね。

・「観光産業」・・・観光資源を開発、整備、保護し、観光に伴って発生する交通、宿泊、その他施設利用に関する需要を満たし、観光の宣伝などを行う事業活動。

訪日外国人客の増加など、国をあげて日本の観光を盛り上げようという動きがありますよね。

さらに、観光産業が注目される理由として、この図を見てください。

国土交通省 観光庁「2015年における旅行消費による経済効果」の図

国土交通省 観光庁「2015年における旅行消費による経済効果」の図

【出典】:http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/kouka.html

この図を見ると、25,5兆円(2015年現在)というお金が、日本国内で回っていることが分かります。

このように、観光産業には、一定の経済波及効果や産業としての幅の広さと影響力があります。

また、観光庁では、観光による地域の活性化を図るため、観光地域づくりの取組について地域の方々が誰でも気軽に相談できる場として、「観光地域づくり相談窓口」を開設しています。

観光地域づくり相談窓口の役割とは

相談内容に応じ、事例集などによるアドバイスや、観光に関する支援紹介などを行ない、関係省庁や部局へ橋渡しをしています。

各地域において、地方自治体やNPO団体などの様々な主体による観光地域づくりの取り組みが積極的に進められていますね。

他にも、農山漁村地域で自然、文化、人々との交流を楽しむ「グリーンツーリズム」、自然・歴史・文化など地域固有の資源を生かした「エコツーリズム」など、みなさんが一度は耳にしたことがある言葉があるように、地域と観光は様々な関係性を持っており、社会においてもその重要性が高いことが分かります。

一般的な観光系の職業・就職先ってなんだろう

地域に関わりのある仕事を見ていく前に、まずは観光産業へ就職したい学生が、一般的に考えている観光系の就職先をいくつかあげてみました。

・旅行業界:ツアープランナー、ツアーコンダクター(添乗員)、通訳案内士

・ホテル業界:ホテルマン、ブライダル

・航空・空港業界:CA、パイロット、

・イベント業界:イベントプランナー、イベントプロデューサー

【参照】
・キャリタスLINQマガジン 外国人観光客が急増中の今、「観光関連」の仕事に注目!(https://linq.career-tasu.jp/magazine/career-foreign-tourists-opponent/
・リクナビ 就活準備ガイド(https://job.rikunabi.com/contents/industry/

一般的には今あげた仕事が考えられますね。

それでは、「ローカル」×「観光産業」という枠では、どういった仕事があるのでしょう。

ローカル×観光産業の仕事を分類してみた

ここからは「ローカル」×「観光産業」の職業を、地域に対して「ナカ」から関わる仕事、「ソト」から関わる仕事に分類して、見ていきたいと思います。

また、これから紹介していく業種、企業はあくまでもごく一部です。

今回は、観光業界が地域に対してどのような仕事をしているのかが、イメージしやすい仕事や、「こんな仕事もあるんだ!」という発見ができるような仕事を厳選して取り上げていきます。

地域にソトから関わる仕事

地域や観光に携わる仕事には、その地域のソトから後押しする組織や会社がたくさんあります。

■行政

「観光庁」

観光庁では、日本人観光客と日本を訪れる外国人観光客を増やすことを目的に、日本国内の観光地や文化を様々なメディアを使って観光PR、広告、マーケティングなどを行なっています。

また、外国政府や地域の観光を担当する省庁、観光庁日本支部で、その国や地域・州の魅力をPRし日本からの観光客を増やす活動も行なっています。

【参照】:http://www.job-english.com/job/tourism/tourism_agency.html

■民間

「株式会社JTBコミュニケーションデザイン」

JTBグループの一つである株式会社JTBコミュニケーションデザインでは、グループの総力を結集して、地域・社会課題に正対し、人×場所×体験×交流をデザインし、解決に取り組んでいます。

地域活性プロモーション事業では、リサーチ・プランニングから広報・プロモーションまで、地域活性化事業の実施に携わる専門機能を結集し、「地域の再生」を総合的にプロデュースしています。

■基本情報

会社名:株式会社JTBコミュニケーションデザイン

事業内容:ミーティング&コンベンション、展示会、プロモーション、試験運営、人財育成・組織活性、ソーシャルソリューション、エリアマネジメント、エンタテインメント・コンテンツ

URL:https://www.jtbcom.co.jp/

「アソビュー株式会社」

日本最大級のあそびのマーケットプレイス「asoview!(アソビュー)」を運営しています。北海道から沖縄まで、アウトドアスポーツやものづくり体験、遊園地や水族館、日帰り温泉などの380種類の遊びを、4,200施設、15,000プラン紹介するサービスなどを行なっています。

コンサルティング事業では、レジャー施設や自治体・観光協会・※DMOへ、施設の集客効果の最大化や業務オペレーション効率化、地域の観光消費拡大を実現するためのコンサルティングサービスを提供しています。

※DMO…地域の観光資源に精通し、地元と連携しながら観光名所を作り出す法人のこと

■基本情報

会社名:アソビュー株式会社

事業内容:インターネットサービス事業、マーケティング・プロモーション支援事業、ESP事業、コンサルティング事業

URL:https://www.asoview.co.jp/(会社HP)、https://www.asoview.com/(「asoview!」公式HP)

「TABICA(株式会社ガイアックス)」
「TABICA」写真

「TABICA」は株式会社ガイアックスが運営する、その人ならではの体験を通して交流ができる体験マッチングサービスです。

「TABICA」では、個人が企画する※着地型観光を提供しており、利用客が地域の文化や自然に根ざした体験を楽しむことができます。

首都圏だけでなく地方でも体験を開催しており、経済産業省「IoT活用おもてなし実証事業」の取り組みとして岩手・三陸エリアでの体験を提供するなど、地方活性化に向けた取り組みにも力を入れています。

※着地型観光…旅行者の受け入れ先の地域が、その地域ならではの体験プログラムを企画・運営する現地集合・現地解散型の新しい観光形態のこと。

体験の様子①

体験の様子①

体験の様子②

体験の様子②

■基本情報

会社名:株式会社ガイアックス

事業内容:ソーシャルメディア・シェアリングエコノミー事業、インキュベーション事業

URL:https://www.gaiax.co.jp/(会社HP)https://tabica.jp/(「TABICA」公式HP)

「るるぶ(株式会社JTBパブリッシング)」

「るるぶ」は、株式会社JTBパブリッシングが出版している、日本でも有名な旅行ガイドブックの一つです。

全国各地の「見る」「食べる」「遊ぶ」を徹底的にガイドしたエリアマガジンで、旅行者はもちろん、地元の人にも役立つ、身近でおトクな情報がたくさん掲載されています。

■基本情報

会社名:株式会社JTBパブリッシング

事業内容:インターネットサービス事業、マーケティング・プロモーション支援事業、ESP事業、コンサルティング事業

URL:https://jtbpublishing.co.jp/(会社HP)、http://www.rurubu.com/book/(「るるぶ.com」公式HP)

株式会社観光販売システムズ

観光マーケティング事業部では、全国各地の旅行商品の開発、発信のサポート、観光開発のマネージメントを行なっています。

効果的な誘客方法、着地型旅行商品の造成、着地型観光の旅行者受け入れ先の地域側のプラットホーム代行などをすることで誘客活動を確実なものにしています。

■基本情報

会社名:株式会社観光販売システムズ

事業内容:観光マーケティング事業部、トライパルツアー事業

URL:https://www.kanko-pro.co.jp/

地域にナカから関わる仕事

地域や観光を盛り上げたいとは言っても、やはりその地域の協力なしには上手くいきません。地域のナカから支えていく仕事も見ていきましょう。

■行政

「役所」(観光課、商工観光課など)

各市町村単位で存在している役所では、窓口業務や地域の道路、建物を作るといった仕事もありますが、観光に関する部署もあります。その部署は観光課、商工観光課と呼ばれており、まちづくりの一貫としてその地域の地域活性化や地域のPR活動などを行なっています。

しかし、役所で働くには、3~5年周期で必ず部署の移動があることや、他部署との連携が重要であることも、知っておかなければなりません。

「観光協会」

日本の都道府県や市町村(主に観光産業が盛んな地域)にある団体の1つで、都道府県や市町村などの観光振興を目的とした任意団体です。

観光宣伝活動を中心に、観光イベントの開催及び共催、観光名所や宿泊施設などの案内、観光客の誘致、観光のための広報活動など様々な活動を行なっています。

「商工会議所」

日本の企業と地域を元気にしたいと願う、民意の結晶から生まれた経済団体です。その地区内における「商工業の総合的な改善発達」を図り、「社会一般の福祉増進」を目的として活動しています。

「地域おこし協力隊」

ココロココ「茨城県北の地域おこし協力隊が大集合!いばらきけんぽく座談会【前編】」

【写真の記事】:ココロココ「茨城県北の地域おこし協力隊が大集合!いばらきけんぽく座談会【前編】

財務省によって制度化された、都市住民など地域外の人材を地域社会の新たな担い手として受け入れ、地域力の維持・強化を図る活動を行なっている組織です。

地域おこし協力隊については、本サイトであるHATAFURI内でも取り上げています。興味のある方はHATAFURI内にある、地域おこし協力隊に関する他記事(「地元にUターン。地域おこし協力隊で帰郷するという選択」)もぜひ読んでみてください。

【参照】:https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/

地元にUターン。地域おこし協力隊で帰郷するという選択

2018年6月29日

■民間

「株式会社星野リゾート」

経営不振になった旅館やリゾート施設の再生を手掛け、各地で高級感ある温泉旅館やリゾートホテルを運営している会社です。

その地域ならではの体験を作りだし、魅力を感じてもらうことをコンセプトとしています。その土地で暮らしているスタッフが、地域の農産物や伝統工芸の魅力、その季節ならではの景色や体験を探します。そして、お客様に楽しんでいただけるような、魅力の開発を行なっています。

■基本情報

会社名:株式会社星野リゾート

事業内容:宿泊事業、運営事業

URL:https://www.hoshinoresorts.com/

「株式会社農協観光」

JAグループの旅行会社である農協観光は、食・農・交流をテーマとして、幅広い地域交流活動に取り組んでいます。

グリーンツーリズム事業では、農山漁村地域の魅力を最大限に引き出し、日本の田舎にあるたくさんの魅力を伝えています。 そして、地元の人と交流する田舎体験などを提供し、お客様と地域を結ぶお手伝いをしています。

■基本情報

会社名:株式会社農協観光

事業内容:JA旅行事業、グリーンツーリズム、MICE、インバウンド、ギフト券

URL:https://ntour.jp/

地域に関わる仕事の位置付け

今までにご紹介してきた仕事と、他にもみなさんの参考になるような仕事をいくつか取り上げ、地域への関わり方に対する位置づけを、下の表に私なりにまとめてみました。

自分が興味を持った仕事がどこに位置するのか、自分はどの分野に興味があるのかなどの発見に役立ててみてください。

地域に関わる仕事の位置付け表

地域に関わる仕事の位置付け表

まとめ

みなさんいかがでしたか?自分にピッタリの仕事は見つかりましたか?

世の中の動きに合わせて地域が変化していくように、その地域を支えていく組織、地域を盛り上げていくための組織も、多様性、新奇性を感じるような組織や会社が増えてきているなぁと思いました。

私も、今回調べてみて、ローカル・観光産業に関わる仕事がこんなにも幅の広いことに驚きました。そして、自分自身が、どのように地域と関わりたいのか、どのように地域の観光産業に貢献したいのかが、少しずつ見えてきたような気がします。

また、今回自分に合う仕事に出会うことが出来なかったなぁという人でも、少しでも将来について考えるきっかけになったのではないでしょうか。

今回の記事だけではなく、本サイトであるHATAFURIやココロマチ、他にも様々なところでみなさんの将来を考える手助けとなる組織や会社があります。一人で悩まず、ぜひたくさんの人に相談してみてください!

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