【学生にエール!】都市コンサル→起業→NPO代表と転身し、奄美群島で空き家問題に取り組む佐藤理江さんに聞いた“ローカルキャリア”

はじめに

学生の皆さんの中には、地域やまちづくりに関わる仕事に就きたいと思っていても、どんな方法があるのか分からないという方がいるのではないでしょうか?

実は、私もその一人です。

私は大学1年生の頃に大学の研修で、琉球と大和の文化が交わる離島に興味を持ち、奄美群島に訪れました。
奄美群島の文化、人、景観に強く惹かれ、そこから地域や人と関わることに興味を持ちました。

そんな私も今や就活生になり、「地域に関わる仕事をしたい!」と思っているものの、何から始めたらいいのかと目下悩んでいます。

同じような悩みを抱える学生の皆さんにも、佐藤さんの経験談を参考にしてもらいたいと考え、お話を伺いました!

奄美群島でご活躍されている佐藤理江さん。
私が大学2年生の頃に出会った、実際に地域に尽力されている先輩であり、地域と関わる生き方、働き方を見せてくださる憧れの存在です。

プロフィール

1975年香川県生まれ。都市計画コンサルタント事務所に勤務し、離島や自然公園地域の計画づくりに従事。2012年から奄美群島の移住定住促進の事業に関わるようになり、2014年に独立。「合同会社りえらぼ」を設立し、離島を中心としたまちづくり系コンサルティング業務を行う。2017年に沖永良部和泊町に転入し、「NPO法人ねりやかなやレジデンス」の代表に就任。
現在、奄美群島が抱える“住みたい人がいるのに空き家が増える”問題の解決にむけ、放置空き家・空き地の活用策を模索中。奄美群島と神奈川の2地域暮らしをしている。

特定非営利活動法人ねりやかなやレジデンスHP

島に来て人生が変わりました!

Q、どんな活動をしているのか?

佐藤さん:奄美群島の使われていない空き家・空き地を、これまで島に普及していなかった新たな活用方法で流通させるためのモデルづくりをしています。

  • 遊休地を活用した規格住宅モデルハウス兼お試し暮らし住宅の運営
  • 家主や地域の人と交流ができるしま暮らし体験ハウスの運営
  • 住宅のサブリース
  • 地域の魅力発信やWEBサイトやイベント等で情報発信
規格住宅モデル ハウス兼お試し暮らし住宅の 「match guest house」

規格住宅モデル ハウス兼お試し暮らし住宅 「match guest house」

しま暮らし体験ハウス「なかほ」

しま暮らし体験ハウス「なかほ」

Q、地域に関わる仕事に就きたいと思ったきっかけは?

佐藤さん:私は地元を出てみたくて香川県から東京の大学に進学しました。

大学の卒論のネタを探しに奄美大島に訪れました。奄美大島の先、加計呂麻島諸島で、島への移住者と地域住民がつながることから生まれる新たな取り組みや動きに興味を持ち、移住者の行動プロセスについて研究しました。

これまで出会ったことのない音楽や踊り(島唄、八月踊り)、年配の方々の元気な姿など、出会う人、見るもの聞くものすべてが衝撃的で。「ずっと奄美に関わっていたい!」と強く感じ、そこから地域に関わる仕事に就きたいと思うようになりました。

Q、前職での経験がNPOの活動に生かされていると感じることは?

佐藤さん:社会人経験はしておきたいと考え、元々アルバイトをしていた都市計画コンサルティングの会社に就職し、東京を拠点にして奄美群島や屋久島などをフィールドに約10年の経験を積みました。

10年ほどたったときに、コンサルタントとして、奄美の行政が取り組む移住定住促進事業に関わる機会を頂きました。

しかし事業を進めるうちに、空き家や空き地は沢山あるのに「家が見つからない」という、移住者にとって大きな課題があることに気づいたんです。

この課題をどうにか改善したいと思いました。しかしコンサルタントという立場では、事業(契約)が終わると継続的に関わることができなくて。

コンサルタントを続けるのか、会社を辞めて空き家活用事業に挑戦するか、夫の住む東京と奄美の二地域暮らしは現実的なのかなど、とても悩みました。

最終的に仲間たちに背中を押され、自分のやりたい活動がより自由にできるNPO設立という道を選択しました。

コンサルタントは行政民間企業も相手にする仕事だったので。そういった意味ではNPO設立以降も、双方への接し方、バランスのとり方など仕事に通ずるものがあり、とても良い勉強になりました。

Q、NPO設立時に将来への不安はなかったの?

佐藤さん:不安はほぼなかったです。とりあえずやってみようと思い、思い切った決断をしました。
怖がっていてはできなかったと思います。

そのくらい奄美に惚れていて、この現状をなんとかしたいという強い思いがありました。

学生時代や前職で得た人脈があったのもとても大きいと思います。全く知らない地域で知り合いもいなかったら、不安になるのは当たり前です。
頼れる人がいるし、NPOで失敗したとしても仕事はある。きっとどうにかやっていけると、良い意味で楽観的にとらえていましたね。(笑)

ローカルキャリアを目指す学生に向けて

Q、地域でどんな人材が求められるの?

佐藤さん:人と関わることや話しをすることが好きな人地域の人に適度に甘えられてしっかりとお返しができる人だと思います。

助けてもらったら何かお裾分けをするとか。ちょっとした気遣いが「手伝ってあげてよかった」「また活動に協力してあげたい」というように、地域の人との心の距離を縮めるんだと思います。

Q、地域での活動で大切にしていることは?

佐藤さん:地域住民の中にはどうしても活動に協力的でない方もいます。

自分の悪い噂話などが出回ることや、正しいことをしているつもりでも周囲の理解を得られないこともあります。

時には、周囲の声を気にしすぎないことも活動をするうえでとても大切なんです!

Q、学生のうちにやっておくべきことは?

佐藤さん:学生の時間のあるうちに色々な地域に足を運んでみて、地元の人と関係を作っておくことですね。その関係を大切にしていたからこそ今の仕事があるので。

また学生という立場は、地域の人からしても接しやすく協力してあげたいと思ってもらいやすいです。社会人になってから出会うよりも、垣根の低い学生のうちに出会う人の方が信頼関係を築きやすいんじゃないかな?

まとめ

今回学んだこと

・地域の人へのちょっとした気遣い

・噂話などを気にしすぎないマインド

学生時代の出会い、人脈を大切にすること

・「なんとかなる」というポジティブ思考

佐藤さんの「新しいことに前のめりになって挑戦する!」というチャレンジ精神と行動力に圧倒されました。

私も、視野を広く持ち、舞い込んできたチャンスは逃さず、新しいことにどんどん挑戦する。
そんな就職活動をしたいと思いました。

集落の空き家調査の様子

HATAFURIを運営する学生インターンを募集中!

地域プロモーション事業を展開する株式会社ココロマチが行うインターンシッププログラム。テーマは、「メディア運営」と「ローカルキャリア」。個人やチームで、記事制作やコーナー運営などを行います。